WebBits

うぇぶびっつ

version 1.0 / 2008.4.20



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■ 概要


WebBits は、指定されたURLのウェブページの表示イメージを画像ファイル ( JPEG ) として保存するコマンドラインツールです。ウェブページを1枚の画像にしたい場合はもちろん、特に縮小してサムネイル画像として使う場合の機能を沢山持っています。


なお、一般的な GUI を持つアプリケーションとは異なり、ターミナルから使用するものですので、若干UNIXの知識を要します。


■ 機能概要


・レンダリングサイズ指定:ウェブページを読み込む際のレンダリングサイズ ( 分かりやすく言えばウェブブラザのウィンドウのサイズ ) を指定できます。

・拡大/縮小/クリッピング機能:画像をサムネイルとしても使用できるよう、出力する際に画像の拡大縮小したり、画像の一部を切り出すことができます。

・フォントサイズ指定:画像を縮小した場合、文字が読みづらくなることがあるため、フォントのサイズを調整することができます。

・サポート画像形式:JPEG画像のみに対応しています。

・WebKit使用:ウェブページのレンダリングは、Safariでも使用されているWebKitを使用しているため、Safariとほぼ同等の結果が得られます。JavaScriptやFlushなどの、Safariで表示できるものはほぼ反映されます。


■ 何に使えるか...の例


・ウェブサイトのイメージを画像に保存することを、画面のスナップショットとるよりも簡単に行える。

・出力したイメージをMacのスクリーンセーバで表示させることで、スクリーンセーバでウェブサイトの更新チェックをする。おすすめは、QC CoverFlow です。

・ウェブサイトを 320×480 ピクセルに出力し、iPhone / iPod touch のフォトアルバムと同期し、iPhone / iPod touch 上でオフラインウェブサイトチェックをする。

・ウェブサイトを 240×320 ピクセルに出力し、ウェブ上に公開し、携帯電話から携帯電話では表示できないウェブサイトの更新チェックをする。

・ウェブサイトを 320×240 ピクセルに出力し、chumby などのガジェット上でウェブサイトチェックをする。

・ウェブサイト上で、ウェブサイトの紹介用にサムネイル画像を使う。


■ 使い方 & コマンドリファレンス


起動方法 : ターミナルを起動して使います。GUIはありません。webbits と WebBits の2つがありますが、直接使用するのは webbits の方です。WebBits は、webits から呼び出される Cocoa アプリケーションです。


・URLとファイル名 : http://www.apple.com/ のページを apple.jpg というファイルに書き出したい場合は、以下のようにします。URLの指定は url= の後ろに、ファイル名の指定は file= の後ろに書きます。使用できるプロトコルは、http だけでなく、https や ftp や file など Safari と同じです。URL に & を含む場合は、url='http://...' のようにしてください。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg


・出力画像サイズ : 出力する画像のサイズは、幅を width= と 高さを height= で指定します。単位はピクセルです。デフォルトは、width=1024、height=768 です。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg width=800 height=600


・画質 : JPEGの画質を指定するには、quality= の後に、0.0 ( 低画質 ) ~ 1.0 ( 高画質 ) で指定します。デフォルトは、0.7 です。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg quality=0.9


・拡大縮小 : サムネイル画像を作りたい場合は、拡大率を scale= で指定して縮小します。倍率の指定で、0.5 を指定すると、縦横の長さが半分になります。以下の指定の場合は、400×300ピクセルの画像になります。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg width=800 height=600 scale=0.5


・スクロール位置指定 : ウェブブラウザでページをスクロールするように、WebBitsでもスクロールさせることが可能です。ページの先頭や左側にサムネイルに含めたくないものがある場合は、スクロールさせることでカットできます。scrolly= で縦方向に何ドットスクロールするかを指定します。横方向は scrollx= で指定します。拡大縮小する前にスクロールさせますので、拡大縮小率は考慮する必要はありません。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg scrolly=100 scrollx=10


・画像の切り出し : 画像の一部を切り出したい場合は、clip= を使って切り出す範囲の矩形位置を指定します。clip=x,y,width,height のように、切り出し位置と、切り出す幅と高さをコンマで区切ってピクセル単位で指定します。以下の指定では、( 100, 100 ) の位置から幅160、高さ120ピクセルで切り出します。スクロールして拡大縮小した後の座標指定になります。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg clip=100,100,160,120


・フォントズーム : 縮小すると文字が見づらくなることがありますが、フォントズーム機能でフォントのみを拡大することができます。fontzoom= に続けて拡大率を指定します。1.5とすると1.5倍の大きさになります。ただし、ウェブページによっては、レイアウトが乱れることがありますのでご注意ください。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg fontzoom=1.5


・最小フォントサイズ : 縮小すると文字が見づらくなることがありますが、最小フォントサイズを指定することで防ぐことができます。minfont= に続けて、ポイント数を指定します。ただし、ウェブページによっては、レイアウトが乱れることがありますのでご注意ください。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg minfont=14


・標準フォントサイズ : 縮小すると文字が見づらくなることがありますが、標準のフォントサイズを指定することで防ぐことができます。fontsize= に続けて、ポイント数を指定します。ただし、ウェブページによっては、レイアウトが乱れることがありますのでご注意ください。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg fontsize=14



・出力遅延 : 画像ファイルの書き出しは、ページの読み込みが完了したときですが、フラッシュ等のアニメーションを含んでいる場合は、出力を遅延させたい場合があります。その場合は、delay= で遅延時間を秒で指定できます。デフォルトは、0秒です。


webbits url=http://www.apple.com/ file=apple.jpg delay=10


■ おまけスクリプト


・おまけとして、" AutoWebBits.pl " という perl のスクリプトを1つ同梱しています。

・これは、複数のURLを登録しておいて、それらのウェブページの画像を定期的に繰り返し出力するというものです。

・出力した画像群をFTPでアップロードしたり、指定のフォルダにコピーしたりする機能も持っています。

・実行間隔も設定できるようになっていますが、あまり短くするとサーバに負荷がかかりますのでご注意ください。また、FTPについては、パブリックな場所に画像を公開する場合は、著作権等にご配慮ください。


・@urls のところに、ウェブページに関する記述を行います。1つのウェブページについて3つの情報を記述します。

・FILE NAME : 出力するファイル名。

・URL : ウェブページのURL。

・EXTRA OPTIONS : コマンドラインに追加したいオプション文字列。


■ バージョンアップ内容


Ver. 1.0

・新規作成。


■ 動作環境


MacOS X 10.4.2以降が必要です。このOSが動くハードウェアであれば、ハードウェアは問いません。

・PowerPC / Intel の両方に対応しています ( 32bit Universal Binary  )。

・開発と動作確認は、MacBook Air 1.6GHz、MacOS X 10.5でのみ行っています。手抜きですが、PowerPC環境や Mac OS X 10.4 環境でのテストは行っていません。


■ 既知の不具合


・いまのところありません。


■ 使用上の注意


・表示するだけで音を発するウェブページを指定した場合は、WebBitsによって音が鳴ることがあります。

・このソフトウェアはフリーウェアです。自由にコピーして使用して構いません。ただし、使用したことによって生じたいかなる障害/損害についても作者は一切の保証を行いません。各自のリスクにおいて使用ください。


■ 書籍やWebでの紹介/収録


・「書籍/Web上での紹介」「書籍/CD-ROM/DVD-ROMへの収録」に関しましては、事後で結構ですのでメールで一報ください。事前の許可は不要です。


■ Webでの再配布について


・Web上での再配布については、常に最新バージョンを掲載するという条件を守っていただくことになります。致命的なバグなどがあった場合に、修正版を確実にリリースしていただけないとユーザーの方にとっても不利益になるためです。なお、こちらからアップデートのお知らせはいたしませんので、ウェブサイト更新チェッカー等をお使いの上常に最新版を掲載いただけるようお願いします。


■ 作者と連絡先


このソフトウェアの開発は鶴薗賢吾 ( つるぞのけんご ) が行っています。何かありましたら、crane@big.or.jpまでメールを送ってください。配布サイトは以下のとおりです。

 http://www.big.or.jp/~crane/soft/webbits/